講演会『原発事故被害の話にくさとジェンダー ~差別と人権につて考える~』開催報告
2019/10/08イベント
広報からのお知らせです。
9月28日は、宇都宮大学国際学部准教授の清水奈名子さんをお迎えして「特集3.11をめぐって『原発事故被害の話にくさとジェンダー ~差別と人権につて考える~』」を開催しました。講演会の詳細はこちらからご覧ください。
今回は前回の講演に引き続き、原発事故後の対応をめぐる問題について、特に事故の中で見えてきた社会のジェンダー抑圧や、原発事故の被害に合われた方のなかでも女性やこどもが被害を声に出しにくい社会の構造について、お話を伺いました。
今回の講演会はシリーズ『3.11をめぐって』の締めくくりの講演会でもありました。
東日本大震災後の社会について地理学、ストレス学、社会学などを学びながら、何がおこって、これからどうしていけばいいのか。専門性の高い方、地域の方とご一緒に考えてきました。
その最後に清水さんは「良くわからないこと」について話すことの大切さについて、お話されました。
多くの人は、原発事故後の放射能の影響、気候変動、新しい化学物質の効果など「難しくてよくわからないこと」、専門家や一部の ”エリート” が話合って決めてしまうことだと思うかもしれません。
でも原発事故のように、その影響は私たち一人ひとりの生活に後に渡り、覆らない大きな影響をあたえてしまうこともあります。
原発問題はこどもたち、今の若者は意思決定に関わっていない。自分たちの代で解決していくべき課題だとお話されました。
地域の現場で起きていることや、一人ひとりが考えていること、不安に思っていることは専門家には分からないことが多い。だからこそ、国の基準や法律などを決める専門家、政治家、官僚などに、「主権者」である私たちが「何をわからないと思っているか」「何をどう説明してほしいのか」を伝え、回答を受けまた質問をする、そうして対話や学びを続けていくことが大切だとお話されていました。
那須まちづくり広場でも、原発事故の問題に限らず、地域の課題を地域の人々が自由に話し合い、取り組むめる場所を作り続けていきたいと思います。